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そうだねー記録だよねー

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笑うブスには福来たらない

人生で初めて鏡を見たときのことを覚えていますか?


私は覚えています。開口第一「あ、ブスだ。」と。








その瞬間、私と私の顔面の戦いは始まったのです。

 






一重で目が細く、鼻は上向きの大きい団子鼻。唇はぷっくり…ではなくただのタラコ唇。

ハゲる心配はないが剛毛すぎる眉毛と髪の毛。


そんな私のパーツのお皿になる「色白」はもはや「不健康、病的」であり7難どころかブスの手助けをしてくれる始末。

 



男になったことがないのでそちらのほうはどうだかわからないが、とにかく女のブスっていうのは生きづらい。


女というものは生まれた瞬間から他人との美競争を繰り広げているのだ。
保育園、幼稚園、小学校、中学校、高校、大学、社会人になっていても…



お互いのことを顔の良さ悪さで判断し、僻み、足を引っ張り、悪口を言いながら、男を捕まえて…


男もまた同様に、「顔は良くなくても、性格がよければ」って言いながら、無意識的に頭の中でブスを省く。





でも、それは仕方のないことだ。
だってスーパーに買い物に行くとき、同じ種類のお惣菜が並べられていたら、より綺麗な出来栄えのお惣菜を選ぶ。

 

 

特に勉強が出来る訳でもなく、スポーツが出来る訳でもなく。

そこへ持ってきてのブス。



小学校も中盤の頃、同年代のかわいい子たちがお洒落に目覚めて、雑誌で見たような可愛いワンピースやカーディガン、スカートを着こなす中、私はジャスコで買ったTシャツにジーパン、髪の毛はボサボサで女なのか判断しかねる容姿であった。


親も「子供からお洒落なんて言語道断」「というかお前みたいな顔にお洒落って生意気」という感じだったので、身だしなみという知識は全く育たなかった。


10代の頃は若さでなんとかなるというが、こうなっていてはなんともならない。




クラスのかわいい子が色々な人の容姿をネタに笑い転げ、
何かの科目で目立った私に対しても「でもブスだから」と影口を言う中、
私は大人になったら少しはきれいになれるのかなと呑気に考えていた。



結局私は大学生になってもブスだった。

 



けれど、2つ気づいたことがあった。

「私はブスだから誰からも選ばれない。」

将来の夢はお嫁さん、と作文に鉛筆を走らす可愛い女の子を横に私は思った。



「私はブスだから一人で生きなければならなかったのに、勉強しなかったな」

大学進学時と就職活動のとき、クラスの女の子たちが自分の道についてワイワイしているときに私は思った。

 



社会人になって、目まぐるしく環境が変わって、仕事で一定の成果を得られたとき、もう1つ気づいた。


「ブスのせいにするのはやめよう」



社会人になって初めて顔が関係ないところで評価を受けた。それまではどうしても「でもブスだから」という理由で評価が下げられていた気がする。

 


…気がする?

 


もしかして、自分がブスということを盾にして、
可能性を信じず、言い訳ばかりして、努力を怠ってきたのではないか。


ブスだから評価を受けない、だなんて言いながら、ロクなことをしてこなかったんじゃないか。




普通の人が通る、自分を信じて勉強して、
目標を見つけて、失敗してもいいから色々な服を買って、
化粧をして、人と恋愛をして、そうやって生きることをしなかった。




「でもブスだから」っていうのは、
そういうことをしなかった自分への継続的な罰だったのではないか。
(だいぶ理不尽な罰だけれども)




 

長い長い罰から目覚めた私は、毎月の給料やボーナスを自分に突っ込み始めた。


まだ幸い私は20代だ。もちろん独身実家暮らし。貯金をすることもできる。




まずボサボサの髪の毛をパーマとトリートメントで綺麗に直した。

次に手足のムダ毛を医療用レーザーで脱毛をした。

洋服は古いものをバンバン捨て、自分に似合うものを試行錯誤した。
ついでに部屋が綺麗になったので部屋のインテリアもガラっと変えた。

睫毛は睫毛パーマを当て、いつでも上がった状態になるようにした。

化粧品を集めるため、デパートや駅ビルを歩き回っては店員さんにしどろもどろになりながら質問をした。

姿勢を整えるため、骨盤矯正にも通い始めた。
施行後には背筋が綺麗になっていた。

出来るだけ笑顔でいようと思った。
人の話をよく聞き、ポジティブなことを口に出すようにした。






それでも出来上がったのは、ブスだった。

結局顔の造形は変えられないのである。

少しは良くなったとはいえ、元のパーツがブスなので、ブスのままだった。

 





私は一つ気づいた。




「ブスはブスのままだ」






人から認められたい気持ちもあった。
モテたい訳ではなく、可愛いね綺麗だねって言われること。
可愛い人や綺麗な人になりたかった。


しかし自己投資をしてから、目に見える風景が大分カラフルになった気がする。
人や建物の線はこんなにもシャープで、色が華やかなのだ。



どうせブスのままだけれども、これもまあ、いいんじゃないのかなあ。

笑わないブスより笑っていたほうが、
まあブスだけど、頑張って生きられるんじゃないかな。

大分楽になった気がする。





 

女はいつでも自分と、周りとの戦いだ。

でもこの戦いから降りた私は、ちょっと楽をしながら将来への近道を歩いている。


ブスだけど。

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